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2011.04.03 糸とんぼ
糸とんぼ、って見たことがあるでしょうか?
青や緑や黄色や、本当に糸のように繊細な、小さなとんぼです。
チョウやバッタを追って草むらに足を踏み入れると、すう、と幻みたいに足元に姿を現す。そんな夢のような妖精だから、じっと目をこらしていないと見失ってしまう、捕まえる時もふわりと両手で優しく包み込まなければその手の中で儚く消えてしまう……。
そっと大事にその奇跡を感じたら、しゃがんで手をゆっくり開く。妖精はふたたび優雅に舞い、私たちの前から姿を消すのです。

別に説教くさい事を言うつもりはありません。でも、幼い頃、こうした命に触れた体験は確実にその後の蒼樹に影響を与えました。
あまりにもあっけなく自分の手の中で消えてしまう一つの命。大切にしようとすればするほど弱っていく悔しさ。
幾つの命を犠牲にしたか、もう分かりません。昆虫、は虫類、両生類、魚類……恐らく百単位の彼らは、身を挺して蒼樹に人や生き物を思いやるとは何なのか、命とはどんなものなのかを叩き込んでいってくれました。本来ほぼ間違いなく我がままいっぱいしたい放題、傍らに人なきがごとしな気性だったであろう蒼樹を、ちょっとだけ我慢のきく、ある程度しつけられた元気印の仔犬にまで育ててくれたのは、彼らだったのだと思います。あ、それから本当に本来の性格のままやりたい放題なママゴンねー。

命の火が消えゆくのをただ見守る無力さも体験しました。
誕生日プレゼントで父が買ってきたグリーンイグアナ。さっそく大好物だという、うにょうにょ動くミールワームを目の前に置いてもちらっと目はやるものの、すぐにそっぼを向いてしまう。暖めてあげても何をしても次第に弱っていくイグ君に蒼樹を始め家族は何もできず、獣医さんも捕まらずに泣きながら夜通しただ見つめていました。
翌日、イグ君は静かに空へ帰っていきました。原因はペットショップが取り寄せて渡された時点ですでにあったと見られるお腹の大きな穴。商売としては最低な事をしてくれたお店ですが、今でも思い出すたびにあの悲しみをよみがえらせてくれる、ペットを飼ってその命を預かるとは何かを深く刻みつけてくれた、大事な経験だったのだと思っています。

一連の震災、津波による犠牲者と人以外の生き物たち、そして去り行くすべての命に黙祷。今までありがとう。

この世に残った皆さま、涙は清めの水、悲しかったり悔しかったり、何でもいいから泣きましょう。生きている人たちが悲しんでいると、その間じゅうずっと心配で亡くなった人や生き物は成仏できません。
まだ涙さえ出ない状況かもしれません。そのうち泣ける時がきたら、思いっきり泣いてください。泣いて泣いて、脱水症状になったら病院で点滴を受けながら泣きましょう。
そしていつか雨が上がったら、ほんの少しだけ笑ってみてください。あなたを見守っていた人たちに、その笑顔が広がっていくかもしれません。目には見えなくても、亡き人たちは安心して穏やかな地へ向かうでしょう。


……こういうのが説教くさくて若々しくなくて、若者向けの賞に蒼樹仁の作品は嫌われるんでしょう。というか、言いたい事をストレートに言う今のスタイル、まさに若輩者特有の表現方法だと思うんですけどね。。
でも、私が持っている手駒はこれだけ。伝えたいのもこれだけ。ただひたすらに、命と人の心をことほぎたいのです。
売れるのは大前提だけれど、ただ単に売れ筋だけを追いたくない。爆発的でなくていい、静かに穏やかに人の心に寄り添っていられたら。

……蒼樹にそれができるんかいな? という実にごもっともなご意見は笑って受けましょう。できるか、ではなく、やるんデス。
だからいつまでうだうだやってんの、いい加減デビューしなはれ、という自他ともの叫びをしっかり聞きつつ、この私の進むべき道をゆっくりと、踏み外すことなく着実に歩んでいく所存でござりまするー。
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